
新しい年を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。本年も皆様にとりまして幸多き年となりますよう祈念申し上げます。
今年は巳年ですね。古代からヘビは再生や永遠の象徴とされてきました。皮を脱ぎ捨て、新たな姿に生まれ変わるヘビは、新しい挑戦や変化に対して前向きな姿勢を示すシンボルとされています。
美術の世界においても、ヘビは魅力的なモチーフとして描かれてきました。葛飾北斎、伊藤若冲、円山応挙など江戸時代の名だたる画家たちがヘビを題材にし作品を残しています。また、海外でもアンリ・ルソーの「蛇使いの女」や、クリムトの「水蛇」などが知られています。昨年、再び脚光を浴びた日本のルソーと称される田中一村のことも記憶に新しいですね。
今年のギャラリーシーズでは、現代アートやデジタルアートに焦点を当てた「レゾナンス・エフェクト2025」をはじめ、女流画家七人による「雄飛する女たち展」など、従来のカテゴリーにとらわれない幅広いアーティストと地元の若手作家を紹介してまいります。加えて、洋画、日本画の枠を超えた個性的な作家たちの活動にもスポットをあてます。
例えば、阿部穣という作家は板やキャンバスに砂や漆喰を使い、ざらついた絵肌を作り、削り込みながら岩絵の具で着色する独自の技法により洋画と日本画の両ジャンルにまたがる異色の存在として注目を集めています。このミクスドメディアという技法は、様々な画材を駆使して新しい表現を追求する作家たちの表現方法として認知されています。また、シーズではコロナ禍で自粛していたトークショーやパーティーなどのイベントを再開し、人とアートが出会う場を提供してまいります。本年も新しい挑戦に前向きに取り組み、飛躍の年にしたいと思います。皆様におかれましても、ぜひギャラリーにお立ち寄りいただき、素晴らしい作品との出会いをお楽しみください。スタッフ一同、心よりお待ちしております