ギャラリーシーズ「秋の美術散歩 京都・大阪 ~二都物語~」

ギャラリーシーズでは毎年、話題の美術展や名画を巡る美術ツアーを開催しています。今年は観光地としても人気の高い京都と大阪を巡ります。

今回の目玉のひとつは京都国立博物館の特別展「東福寺」です。紅葉の名所として知られる東福寺は、鎌倉時代に創建された京都を代表する禅寺のひとつで、このたび300年ぶりに大修復を終え、鮮やかに彩色が蘇った五百羅漢図(重要文化財)全50福(縦170㎝、横90㎝)を鑑賞します。五百羅漢とは釈迦の弟子の500人のことで、「画聖」と評された伝説の絵仏師・明兆(みんちょう、1352-1431年)の作で1幅に10人づつ描かれています。他にも観音図「白衣観音図」(重要文化財)や「達磨・蝦蟇鉄拐図」(重要文化財)など、明兆の代表作が展示されます。会期は東京国立博物館が3~5月、京都国立博物館で10~12月まで、他にも京都市京セラ美術館、京都国立近代美術館、嵐山に2019年に開館した福田美術館と嵯峨嵐山文華館を訪問します。

大阪では昨年開館し新たなアート空間として注目を集める中の島美術館の「生誕270年 長沢芦雪」展を鑑賞します。江戸時代の画家・長沢芦雪は円山応挙の弟子で、師とは対照的に大胆な構図と迫力ある画風ながら、ユーモラスでほのぼのとした動物画を描きました。その自由奔放で既知に富んだ画風は、同時期の伊藤若冲とともに「奇想の画家」と呼ばれ人気急上昇中です。

あべのハルカス美術館では絵本作家「安野光雅展」を鑑賞し、併せて高層ビルから大阪の眺望をお楽しみいただきます。

最後に筆者のお勧めとして「大山崎山荘美術館」をご案内いたします。実業家・加賀正太郎が大正から昭和初期にかけて建てた山荘でステンドグラスや暖炉などの装飾はもちろん、庭園まで美に満ちた素晴らしい美術館です。ここでは景観に配慮して半地下構造になっている安藤忠雄設計の地中館でクロード・モネの名画「睡蓮」を鑑賞します。ロダンやモネ、ピカソなども展示されており、三階建てのイギリス・チューダー様式のレトロモダンな本館と現代建築との調和も魅力です。

秋の美術散歩は優雅な京都の風情と対照的にパワフルな大阪の2都を一度にご堪能いただける内容です。美術の旅をご一緒に!詳しくは0166-53-8886まで