イタリアで学んだ技術と日本ならではのデザイン性-「フジタのドリームボックス」

 ギャラリーシーズでは30周年記念第3弾として「藤田喬平展~日本のガラス工芸の粋~」を、5月12日(水)~31日(月)まで開催いたします。

 日本の近代ガラス工芸の歴史は、フランスのエミール・ガレやルネ・ラリックから遅れること50年、岩田藤七に始まり、その跡を継いだ藤田喬平によって花開きました。

 藤田喬平はイタリアのヴェネチアでガラス工芸の伝統的技術を習得し、色ガラスに金箔を用いる新技法で独自の芸術世界を確立しました。江戸時代の琳派様式を表現した藤田の飾筥は海外で「フジタのドリームボックス」と呼ばれ、「フジタのカンナ」とともに絶賛をあびました。更に藤田と同時期に活躍したのが岩田藤七の息子・久利で、日本ガラス工芸協会を創設しました。その後小林貢、黒木国昭、石井康冶、藤田潤(喬平の長男)といった作家が次々と海外のグラスアート展で受賞を重ね現在の日本のガラス工芸界をけん引しています。

 本展では藤田喬平のガラスに命を吹き込んだように艶やかで色彩豊かな代表的作品31点を中心に、日本のガラス工芸の先駆的な岩田藤七をはじめ、岩田久利、石井康治、黒木国明、小林貢、藤田潤など、総数51点を一堂に展示いたします。これまでにない規模で日本のガラス工芸の魅力をご堪能いただきます。