世界の注目を集める日本美術

このところ日本美術への関心が高まり、展覧会も人気です。ブームのきっかけは2015年に開催された「琳派誕生400年」(京都国立近代美術館)でしょう。琳派はヨーロッパの印象派や現代の日本画、デザインにも大きな影響を与えました。2016年には「生誕300年 伊藤若冲展」(東京都美術館)で、若冲が大フィーバーを呼びました。筆者はこの展覧会に入場するのに3時間以上も並んだことを思い出します。2017年には「国宝」展(京都国立博物館)や「運慶」展(東京国立博物館)で仏像が一大ブームを巻き起こし、昨秋はフランスに日本の文化や芸術を紹介する「ジャポニスム2018」の一環として、若冲展がパリの美術館で約1か月間開催されるなど、日本美術は世界で大人気です。

ギャラリーシーズでは今回「プレミアムセレクション」を開催しまう。世界を舞台に活躍する現代日本画家二人の素晴らしい作品をご覧いただけます。

河嶋淳司氏は、世界的ブランド、カルティエのジュエリー広告を手がけ海外での活躍もめざましい方です。伝統的な「琳派」の流れを継承しつつもコンテンポラリーアートとの融合を目指す日本画家として注目を集めています。また、駝鳥のモチーフで一躍脚光を浴び、岡田美術館(箱根)の巨大壁画制作でその地位を確固たるものにした福井江太郎氏は、ニューヨークやベルリン、上海など海外で多数個展開催。ライブペインティングなどのパフォーマンスも評判を呼び、以前には紺綬褒章を受章、現代琳派の代表格です。

このほか、現代画壇を代表する作家や巨匠と謳われた物故作家の作品も多数展示いたします。6月から道立近代美術館で作品展が開催される東山魁夷や、北海道ゆかりの片岡球子の版画、更に陶芸作品としては非常に珍しい加山又造の額皿など、洋画を含む人気作家たちの競演をお楽しみください。

■展覧会名  「プレミアムセレクション」

■会  期   5月22日(水)~6月10日(月) (火曜休廊)午前11:00~午後6時30分

■会  場   ギャラリーシーズ 旭川市旭町2条3丁目11-31 0166-53-8886

■出品作家名  東山魁夷、片岡球子、藤田嗣治、児玉幸雄、加山又造、織田広喜、藤井 勉、千住 博、河嶋淳司、福井江太郎、福本 正、アイズピリ 他

※『グラフ旭川』2019年6月号掲載記事より