2025年の話題の展覧会

今年開催の話題の美術展をご紹介します。AI技術革新には驚きが尽きませんが、その先端技術を駆使した現代アート展「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」が、森美術館(東京・六本木)で2月13日から6月8日まで開催されます。この展覧会では、ゲームエンジン、AI、仮想現実(VR)、生成AIなどの最新テクノロジーを取り入れ、デジタル空間上の新しいイメージを生成し、ジェンダーや人種のアイデンティティからの解放や超現実的な風景の可視化といった表現が特徴とのこと。どんな作品と出会えるか期待が高まります。

また春には大阪・関西万博が開幕。その会場デザインプロデューサーを務めるのは旭川ゆかりの建築家、藤本壮介さんです。藤本さんの初の大規模回顧展「藤本壮介展」が7月2日から11月9日まで同館で開催されます。展覧会では、初期から現在までのプロジェクトが紹介されるほか、模型や設計図面、記録写真、さらに原寸大の模型やインスタレーションも公開され、藤本建築の魅力を余すところなく楽しめる内容です。

続いて、SOMPO美術館(東京・新宿)では「生誕140周年 藤田嗣治 7つの情熱」が4月12日から6月22日まで開催されます。フジタ研究の第一人者シルヴィー・ビュイッソン氏監修による展覧会で、自画像や女性、宗教画など7つのテーマで藤田の創作源を探ります。また、東京ステーションギャラリーでは「藤田嗣治 絵画と写真」が7月5日から8月31日まで公開され、日本とフランスに現存する藤田の写真を通じて藤田の画業を再考します。

下半期はゴッホにスポットを当てた展覧会が多数開催予定です。

ポーラ美術館(箱根)では「ゴッホ・インパクト(仮)」が5月31日から11月30日まで、同館所蔵のゴッホ作品を中心に、彼の影響と現代における新たな価値を考察します。次に大阪市立美術館では「ゴッホ展―家族がつないだ画家の夢」を7月5日から8月31日まで、ファン・ゴッホ家のコレクションに焦点を当てた日本初の展覧会で、東京都美術館や愛知県美術館にも巡回します。

さらに神戸市立博物館では、「大ゴッホ展―夜のカフェテラス」が9月20日から2026年2月1日まで、オランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵のファン・ゴッホの作品の約60点を公開し、福島県立美術館、上野の森美術館にも巡回します。

まさに2025年は「ゴッホ・イヤー」と言っても過言ではありません。(つづく)

■「ゴッホ展―家族がつないだ画家の夢」
会期:
会場:大阪市立美術館、東京都美術館、愛知県美術館に巡回予定