世界も注目する現代アートの新スポット「青森・秋田美術散歩」

長引くコロナ禍にあっても、2022年は数多くの展覧会や芸術祭が予定されています。現代アートの祭典として知られる「瀬戸内国際芸術祭」や「あいち2020」などが今年も注目を集めています。現代アートは20世紀から増え始めた芸術表現で、一見、難解との声もありますが、今、この現代アートの魅力が多くの人の心を掴んでいます。今回は現代アートの新たなメッカとして注目を集める東北エリアの美術館を紹介いたしましょう。

まずは、2年前に開館した「弘前れんが倉庫美術館」です。明治・大正期に建設された元シードル工場を現代アートの美術館として改修したもので、旭川ゆかりの建築家・田根剛氏が手がけました。建物の魅力と共に先進的なアートを紹介する美術館として話題を集めています。

続いて「青森県立美術館」は三内丸山遺跡のすぐ隣にあり、遺跡をメージした建物が特徴的な美術館です。青森出身のアーティストによる作品やユニークな企画展が楽しめます。中でも高さ8メートルを超える奈良美智氏の作品「あおもり犬」は、建築と作品が一体化した存在感に圧倒されるでしょう。もうひとつの見どころとしては、アレコホールと呼ばれる吹き抜けの大空間で、20世紀の巨匠シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画など、全4作品が常設展示されています。見応え十分の迫力です。

また「十和田市現代美術館」では、アートによる街づくりをコンセプトに、一つ一つの作品に展示室が与えられていて、それらの展示室をガラスの通路で繋ぐことで、美術館自体がひとつの街のような外観をつくり出しています。この開放的な空間では、草間彌生や奈良美智、ロン・ミュエクなど世界で活躍するアーティストの作品を鑑賞できます。またカラフルな花で飾られた馬のオブジェ「フラワーホース」(写真)が、躍動感にあふれひときわ目を引きます。敷地内のあらゆる場所にアート作品が展開され、美術館のすみずみまで楽しめます。

最後に秋田県立美術館です。ここでは世界的な画家・藤田嗣治の一大コレクションがご覧いただけます。特に昭和12年当時の秋田の祭りや、日常の暮らしを描いた大壁画「秋田の行事」(高さ3.65m、幅205m)の巨大さと卓越した表現は圧巻です。

なおギャラリーシーズでは今秋9月に「みちのく青森・秋田美術散歩」として、現代アートに触れる旅を企画しています。詳しくはギャラリーまで 電話0166-53-8886