「2022年 話題の美術展から」

今年の美術界はフランスの巨匠エドゥアール・マネの生誕190年をはじめ、抽象絵画の最初期の画家ピエト・モンドリアン生誕150年。「モナリザ」をはじめとした後世に受け継がれる傑作を残し、他にも数多い分野で実績を残した稀代の天才・レオナルド・ダ・ヴィンチ生誕570年。今なお建築中の「サグラダ・ファミリア」のアントニ・ガウディの生誕170年など、美術界・建築界の巨匠が生誕を迎えます。また美術展では東京国立博物館150周年や大阪中之島美術館の開館など、注目を集める展覧会・美術展がたくさんあります。2022年に是非みておきたい話題の展覧会をご紹介いたします。

まずは、東京・国立新美術館の「メトロポリタン美術館展西洋絵画の500年」(2/9日~5/30)から、ラファエロ、レンブラント、フェルメールからモネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ・・・。ルネッサンスから19世紀まで西洋絵画史500年を彩った巨匠たちの名作が一堂に会します。カラヴァッジョの「音楽家」などヨーロッパ絵画の2500点の中から名画65点、その内46点が日本初公開という内容です。見逃せませんね。

続いて「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」は、17世紀オランダを代表するフェルメールの初期の傑作「窓辺で手紙を読む女」が修復後としては初来日。壁の下に塗り込められていたキューピッドの画中画が、修復プロジェクトによって発見、修復されたことで注目が集まっています。その名作が世界に先駆けて、4月3日まで東京都美術館で開催され、その後、北海道立近代美術館に巡回します。こちらも楽しみですね。

ヨハネス・フェルメール「窓辺で手紙を読む女」(1657-59年)
修復により、絵の中の壁に描かれたキューピッドの画中画が発見された。

もうひとつ2月に新オープンした大阪中之島美術館は黒いキューブ状の巨大な建物で、まるで黒い箱が宙に浮いているようなインパクトのある外観が話題を集めています。開館記念として6000点を超えるコレクションの中から400点を選出した「超コレクション展-99のものがたり-」では、佐伯雄三の「郵便配達夫」をはじめ、モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」など、西洋の近代・現代美術から、ジャコメッティ、マグリットなど20世紀美術の名作が紹介されます。加えてマーク・ロスコやバスキアなどのアメリカのアートの潮流もご覧いただけます。第2弾として特別展「モディリアーニ―愛と創作に捧げた35年―」など、美術ファン垂涎の美術展が目白押しです。