新春のお慶びを申し上げます

新春のお慶びを申し上げます。

いまだに猛威を振う新型コロナウィルスの一日も早い収束を祈るばかりです。

さて、今年は丑年ですね。牛は古くから農耕に欠かせない動物として飼育され、身近な動物でした。

牛を描いた最古の絵は、ユネスコの世界遺産に登録されている「アルタミラ洞窟壁画」に見ることができます。旧石器時代末期に描かれた野牛で、紀元前4万年ほど前のものといわれています。

また牛と人間の関係を調べてみると、学問の神様・菅原道真公と牛との深い縁があります。菅原道真をまつる太宰府天満宮(福岡県太宰府市)の境内には牛の像が設置されています。これは道真公が牛を愛育していたことや、刺客から牛が道真公を守ったという言い伝えからきているそうです。この牛の像は「御神牛」といい、像の頭をなでると賢くなり、身体の悪い部分を触ると触ったところが回復して良くなるといわれていて信仰の対象となっています

大宰府は観光スポットでもあり、訪れる人がこの「御牛像」の頭や角をなでるので、その部分がピカピカに光っています。筆者も天満宮を訪ねた際に、牛の頭をなでてきました。

道真公は政治家としてだけでなく、和歌や漢詩、彫刻などにも非凡な才能を発揮した貴族でした。陰謀により大宰府に左遷され、失意のうちに死をとげますが、学問の神様、文化の神様としても信仰を集め、歌舞伎役者や音楽関係、芸術家らが参拝していると聞きます。

丑は芽が出て発展する、前触れの干支であるともいいます。今年、ギャラリーシーズは30周年を迎えました。シーズの名前の由来は「彼女たちの」に「種子」の意を込めたもので、大地に蒔かれた一粒の種がやがて美術の世界で大輪の花を咲かせるようにと名づけました。芽が出て発展する、前触れである干支に因んで、新たなことに挑戦する年にしたいと思います。