春の陽光に誘われ、私には決まってこの時期に訪れる場所があります。安田侃彫刻美術館「アルテピアッツア美唄」(美唄市落合栄町)です。そして四季を通して多くの人が訪れる人気のアートスポットです。
今春、アルテピアッツア美唄の30周年を記念した作品集「誰もが心を広げられる芸術広場」が刊行されました。B5判で110ページほど。ページをめくると美唄市の歴史やアルテピアッツア美唄のあゆみとともに、アルテピアッツア美唄の四季が映し出された風景写真が綴られています。季節や時間の変化によって表情を変える景色は心を和ませます。広場の中核となっている水の広場や赤い屋根の旧校舎が懐かしい。吹く風、鳥の声、大理石の彫刻に触れた時のあの滑らかな触感が鮮やかに脳裏によみがえってきました。
「そうだ、アルテに行こう!」
旭川から道央自動車で約40分。美唄インターを降りて5分ほど道なりにいくと、山あいの里に「アルテピアッツア美唄」があります。ここは廃校の跡地を活用し、安田侃さんの彫刻を配置した芸術広場で、山々に囲まれた総面積7万平方メートルの敷地に安田さんの野外彫刻27点、旧小学校を再生したギャラリーやアートスペースに17点、合計44点の作品が常設展示されています。
新緑のなだらかな丘を登ると真ん中に大きな穴のあいた白大理石の彫刻「妙夢」があります。彫刻に導かれ先へ進むとまた違う彫刻に出合います。木立の中にも「天沐」、「天聖」が静かに時を刻んでいます。白大理石の輝きと木々の緑が眩しい。芝生に寝転ぶ人、本を読む人、彫刻に抱き着く人、ここでは誰もが思い思いに時を過ごしています。
「来てよかった!」
春は桜並木がGWには見ごろを迎え、秋には山々の紅葉が空間を彩ります。毎週土曜日にはスタッフの方がアルテピアッツァ美唄の中を案内してくれるそうです。予約不要ですので、どなたでもお気軽に参加できます。また、今年も安田侃先生の「心を彫る授業」や音楽会や講演会などさまざまなイベントが予定されています。
いつ来ても変わらない場所。そして訪れる人を優しく迎い入れてくれる空間。
私の心のふるさとーアルテピアッツア美唄の魅力です。