ギャラリーシーズ30周年記念-2つの展覧会から~ガラス工芸の粋~

若葉の香る季節を迎えました。ギャラリーシーズでは春から夏にかけて、世界中で愛されているガラス工芸の名品を紹介する2つの企画展「藤田喬平展-ガラス工芸の粋-」(5/12(水)~5/31(月))と 「ヨーロピアンアンティークコレクション」(7/21(水)~8/9(月))を開催いたします。

戦後日本を代表するガラス工芸作家の藤田喬平は、東京美術学校工芸科(現、東京芸大)を卒業後、スウェーデンにてクリスタル・ガラスを制作。イタリアでの伝統技術の習得後は、色ガラスに金箔を用いる新技法で、色彩豊かな世界を確立しました。その後アメリカにおいて、ガラス・アート・ソサエティよりライフタイム・アチーブメントアワード受賞2002年には文化勲章を受章しています。(2004年逝去)

本展では「フジタのドリームボックス」として世界的に有名な「飾筥」や「フジタのカンナ」といわれるカンナ文様の花器類、オブジェ、茶道具など30数点を展示いたします。特に飾筥の「手吹飾筥紅白梅」は江戸琳派の様式を表現し、多くの人々を魅了した逸品。この藤田の代表作を中心に、日本におけるガラス作家の先駆的として知られる岩田藤七、現代の名工として活躍する黒木国昭など含め総数50点を一堂に展示し、これまでにないスケールでお楽しみいただきます。

藤田喬平「飾筥 紅白梅」

また、「ヨーロピアンアンティークコレクション」では、ガレ、ドーム、オールドバカラなどのアンティークランプや花瓶、クリスタルグラスなど約25点を紹介いたします。アンティークコレクション展は今年3回目を迎える人気企画のひとつです。アールヌーボーからアールデコへ、百年の時を経た今も輝きを失わない名品の数々を是非ご覧いただきたいと思います。

ドーム「徽章文脚付杯」10.6×9.4㎝1893年

藤田は海外で技法を磨き、そこに日本の伝統的な装飾を施しました。また、ガレやドームはジャポニズムの 影響を受け、アールヌーボーを代表する作家となりました。

会期中は各展覧会に併せて、ギャラリートークを予定しています。

藤田喬平作品や日本のガラス工芸については、5月15日(土)午後2時から、また西欧アンティークについては7月24日(土)午後2時から開催します。予約不要